「クロスワードキング」2018年6月号の解説のようなものです。
冊子全体の内容
◎概略
- 定価:480円(税込)
- 発売日:2018年4月19日
- 懸賞応募締切日:2018年6月17日(最大59日間)
- 応募方法:郵送またはWEB
- その他:イードのパズル誌・合同企画「THE 美食対決!」開催中
「クロキン」以外のイード発行パズル誌「漢字道」や「まちがいさがしキング」の応募券を3枚送ると抽選で高級海鮮やブランド牛肉があたります。
◎問題数:全64問
- クロスワード:37問
- スケルトン:6問
- アロークロス:5問
- ナンクロ:3問
- シークワード:2問
- ボナンザ:2問
- その他(3字熟語ネットワーク、ナンプレ、ふたまたスケルトンなど):1問ずつ
定番パズルの問題構成は前号からクロワードが大幅に7個減り、代わりにスケルトンやアロー、ナンクロなどがそれぞれ増えています。
上記の3字熟語ネットワーク、ナンプレ、ふたまたスケルトンは今号も変わらず掲載、根強い人気があるのでしょう。
新パズルとして、パネルサーチ(イラストを時系列に並び替える問題)や読みが同じ漢字を穴埋めして熟語を完成させる問題などが出題されています。
解答時間と解説
◎Q1~10
解答時間は33分18秒。
Q1~10のテーマは「クロキンおもてなし」で、全ておもてなしに関したパズルです。
そのうち冒頭のQ1~4はカラーページで、クロス(Q1)、アロー(Q2)、スケルトン(Q3)、ボナンザ(Q3)、まちがいさがし(Q4)と各種パズルが手広く出題されています。
Q1のクロス(出題:新田正純さん)は、「黄」・「金」・「週」・「間」の大マスがあらかじめ配置された面白いパズル。
惜しむらくは、この大マスに絡む二重マスが一つもないのでせっかく用意した特色が活かしきれていないところでしょうか。
Q9のシークワード(出題:タケルさん)は若手俳優つまり人名を探すパズル。
解くコツとしては、画数の少ない漢字(「一」・「人」など)や大きな□を含んだ漢字(「口」・「田」など)など目に入りやすいから攻めて行くことでしょうか。
Q10のクロス(出題:パズル花子さん)は、二重マスのCとEが鬼門。
前者は浮きマス配置でヨコ41のキー「回転」を正しく入れること、後者はタテ12のキー「具を包んでゆでたパスタ。もてなし料理にぴったり」かヨコ24のキー「子どもには尾頭付きの魚より分割されたこれの方が食べやすい」といった難度の高いキーの答えをひねり出すことが必要です。
難易度は5段階で「1」の扱いですが、個人的にはもう少し上げても良いのでは。
◎Q11~20
解答時間は28分9秒。
クロスワードが続きますが、二重マスでヒントをつくり別のマスで解答を選ぶものやリストにある2文字の単語を1つのマスに入れ込むものなど、変り種のパズルもちょこちょこ登場します。
Q16で登場するクロス(出題者:天海さん)が、上記の「リストにある2文字の単語を1つのマスに入れ込む」問題。
キー自体は簡単なものが多く答えはすぐに分かるため、答えの文字数とパズルのマス数を見比べて2文字入るマスを推理していく方法が一番の近道でしょう。
Q12のクロス(出題者:庄田雄二さん)は、キーに誤り(うそ)が含まれていて正しく直した言葉を埋めるタイプのパズルです。
苦労する点は、その正しく直した言葉が分かりにくいこと。
例をあげるとヨコ9のキー「バーベキューで布団を焼く」は誤りが「布団」なのはすぐに分かるのですが、正しい言葉は何なのかを捻り出すのに少し時間がかかりました。
なかなか解き応えのあるパズルです。
Q20で出題された毎度お馴染みのふたまたスケルトン(出題者:伊藤美由紀さん)。
今回は比較的易しめで、「○イヤ△ース」と「○ルー△リー」の○と△に入れる文字が若干分かりにくかったものの、他の言葉はすぐに閃くと思われます。
◎Q21~30
解答時間は34分34秒。
前段のQ11~20に引き続きクロスワードが多めですが、漢字を入れて戦国武将を答えたりキーがアナグラムになっていたりと、読者を飽きさせない工夫がなされています。
中でもQ28のクロス(出題者:前島奬太さん)は異色で、すでに用意された言葉をヒントの条件にあてはめていくパズル。
語彙力は全く必要なく、代わりに理詰めで解いていく推理力が必須です。
Q23(出題者:新田正純さん)は毎度お馴染み3字熟語ネットワーク。
特定しやすい語句は左上側の「○曾○」や「○拠○」、下側の「○克○」や「○○鼓」などが候補でしょう。
Q25のクロス(出題者:本間正夫さん)は昭和の大人物クロスで、取り上げられたのは「大杉漣」。
出演されていた様々な映画やドラマに関するキーが多く、救済措置としてヒントのリストはあるものの芸能通でない方は少し苦労するかもしれません。
◎Q31~40
解答時間は52分58秒。
推理パズルやシークワード、ツメクロスといったバラエティに富んだパズルが目立ちます。
またQ37・38はジャンボサイズの見開きパズルです。
Q36(出題者:清水コーイチローさん)のクロスはQ1と同様、すでにパズルへ配置された漢字(「星」と「月」)をヒントに答えを埋めていきます。
惜しむらくは、この「星」と「月」に絡む二重マスが一つもないのでせっかく用意した特色が活かしきれていないところでしょうか。
Q38(出題者:星見友輝さん)は、ジャンボサイズのスケルトン風ナンクロ。
「水天一碧」、「明珍火箸」、「気韻生動」、「旭日昇天」など人により難度の高い四字熟語もありますが、これらはほとんど解答にからまないという親切設定。
ナンクロに慣れ親しんでいる方は短時間で解けると思われます。
Q39のしりとりクロス(出題者:がじゅ丸さん)は、全てのキーが世界の国・地域に統一されています。
やや難度は高いものの、キーの問い方はストレートな地理クイズや文学・スポーツなどジャンルが幅広く、楽しめて解ける良問です。
◎Q41~51
解答時間は26分6秒。
ボナンザやアロー、穴埋め問題など前段のQ31~40と同様に色々な種類のパズルが揃っています。
ただし、これらのパズルは簡単な部類に入ります。
例えばQ41(出題者:伊藤美由紀さん)のボナンザは質問文の漢字を埋めるだけで即答えが類推可能ですし、Q43のナンプレ(出題者 :キング☆さん)のパズルCは、二重マスのある3×3のブロックだけで答えが完結するため1分以内に解けてしまいます。
一方、今月の難問クロス・Q49(出題者:清水コーイチローさん)は、看板に偽りなく本当に厳しかったです(前号はあんなに簡単だったのに……)。
タテ12のキー「空気中の希ガスの発見によって、ノーベル化学賞を受賞したイギリスの化学者」やヨコ15のキー「表面を赤いワックスでコーティングした○○○チーズ」、ヨコ33のキー「7月に、福島県相馬地方の小高・太田・中村の3神社が合同で行う祭礼」、ヨコ52のキー「ロシアの男性が着る、ゆったりとした民族服」など難問が目白押しです。
Q50(出題者:朱里さん)は、1文字目と5文字目に同じカタカナを入れて熟語を完成させるという新傾向のパズル。
例えば「○ツセイ○」ならば、○に「カ」を入れて「カツセイカ(活性化)」といった具合です。
ふたまたスケルトンでもそうですが、頭文字が分からない穴埋め問題は、なかなか手応えがあります。
◎Q52~65
解答時間は47分44秒。
クロスワードとスケルトンを軸に据えた配置。
Q61からはカラーページです。
Q53(本間正夫さん)は若い方には鬼門のパズル。
テーマが「懐かしのホームドラマ」で、『池中玄太80キロ』や『寺内貫太郎一家』など主に1970年代のドラマに関するキーが続出。
ヒントの数も少ないので知らなければ調べるしかありません。
ただし救済措置なのか、二重マスにはあまり芸能ネタがからまないので、ここを埋めるだけであればなんとか解けると思われます。
Q55のクロス(出題者:パズル花子さん)は、全てのマスに2文字ずつ入れる異色のパズル。
一部のマスに複数文字入れるクロスは何回も見たことありますが、全てのマスが対象なのは初めてでした。
作るの大変だっただろうな……。
Q58(出題者:エッチャカさん)は、国語・社会・理科・美術の4教科にフォーカスしたミニクロス。
パズルのキーが各教科に関連するのはもちろん、二重マスを埋めると各教科で出題された別の問題を解くキーワードが出てくる仕組みが秀逸でした。
Q61の分割パズル(出題者:タケルさん)やQ63のスケルトン(出題者:POROさん)は、テーマがそれぞれチーズとかんきつ類。
パズルの性質上マニアックなものが出題させることも多く、色々と勉強になるのがこのパズルの面白いところです。
◎総括
全64問の解答時間は3時間42分49秒。
予想以上に時間がかかりました。
時間のかかる漢字折れやネットワーク、スケルトンや慣れていないかなナンクロをいかに短縮できるかがカギとなりそうです。
取り急ぎの目標は3時間30分以内に設定してみます。
さて上記にも関連しますが「クロキン」の特色は、難度の高さと新問の更新頻度ではないでしょうか。
他誌と比べて辞書等を使う頻度は高いですし、じっくり取り組まないと答えにいきつかないパズルも少なくありません。
また、半年の間パズル誌の内容を記録していますが、「クロキン」は毎号少なくとも2~3問は必ず新しいパズルが登場しています。
次号も引き続き手ごたえのある問題が楽しみです。
以上です。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
解答速報は6月18日に掲載予定です。