解答速報では以前にも取り上げた『漢字堂』です。
今号からナンクロを中心にちょこちょこ掲載していきます。
冊子全体の内容
◎概略
定価:500円(税込)
発売日:2018年3月2日
懸賞応募締切日:2018年6月15日(最大106日間)
応募方法:郵送またはWEB
他の漢字系パズル雑誌と異なり、WEBでも懸賞応募ができるのは嬉しいですね。
◎問題数:全52問
(内訳)
ナンクロ:21問 ※ ボナンザ含む。
漢字パズル:13問(漢字足し算・引き算パズル、熟語パズルなど)
アロークロス:5問
スケルトン:5問
ジグザグクロス(漢字折れ):3問
シークワーズ:3問
その他(ツメクロス、クロスワード):1問ずつ
漢字パズルをもっと細分化して内訳表示することも考えましたが、種類が多すぎるため断念しました。
なお本誌のボナンザパズルについては、伏字にされた一連の文章へ入る文字を推測するタイプではなく空欄になっている既成の熟語群を見比べて文字を類推するタイプなので、ナンクロの亜種として扱いました。
(ボナンザパズルってなんだっけ? な方は、以下リンクをご参照くださいませ)
各問題の説明
Q1:ナンクロ(出題者:MRIO さん)
まずは入門編として、小サイズのナンクロをリストつきで解いていきます。誌面上の難易度は5段階で「2」。
問題サイズ:15×10
チェック表の文字:22種類
所要解答時間:4分40秒
辞書使用回数:0回
寸感:できれば3分台で解きたかった……。セオリーは「【9】人【7】脚」と「落【14】物」の2種類を特定するところからかと。リストを見なくてもサクサク解けますので、慣れてる方はノーヒントで十分チャレンジできます。
Q2:ナンクロ(出題者:MARIO さん)
前のQ1同様、リストつきのナンクロです。誌面上の難易度は5段階で「2」。
問題サイズ:20×20
チェック表の文字:34種類
所要解答時間:3分20秒
辞書使用回数:0回
寸感:取っ掛りは「徒【27】草」、「場面【8】換」、「露【29】【34】呂」、「園【16】家」、「【3】【26】【3】賛」、「閑【24】鳥」などなど、どこからでもアプローチできます。
「【21】曜【5】」など、候補が複数出てくるものが多いため、絞り込みのためにありがたくリストを使いましょう。
Q6:シークワーズ(出題者:野部圭一 さん)
憲法にまつわる言葉がリストに整列しているシークワーズです。法律経済系教科書の雄・有斐閣のテキストが出典とあって、ずいぶんと堅い単語が並んでいます。誌面上の難易度は5段階で「2」。
問題サイズ:17×16
リストの単語数:68種類
所要解答時間:23分50秒
寸感:普段聞きなれない言葉の上、「~主義」やら「~制」やら似たような字面も多く、かなり苦労しました。社会人になってからは何年もこのような単語とはご無沙汰ですね。あんまり会いたくもありませんが。
それでも気にかかった言葉は「国際慣習法」と「特別多数決」。前者は慣習法(ものすごく平たく言うと成文化されていない法律)の国際版で、後者は超重要事項を決めるときに過半数よりも多い数(2/3、3/4など)の賛成がないと採択しないルールのことだそうです。
Q7:ナンクロ(出題者:松川敏浩 さん)
正統派のナンクロで、2つの熟語を解答します。誌面上の難易度は5段階で「3」。
問題サイズ:20×25
チェック表の文字:49種類
所要解答時間:4分50秒
辞書使用回数:0回
寸感:異様に勘が冴えていたのか、「【21】輸【5】」と「【5】選【4】」を見た瞬間に漢字が埋まりました。こういう奇跡はもっと大事な局面で出て欲しいです。
その他セオリーどおりにいけば、「【41】【28】【41】銘」、「【21】轄【44】」、「【16】【28】【35】垢」などといった、展開力の小さい漢字を軸に進めればよろしいかと思われます。
Q12:スケルトン(出題者:渡辺誠一 さん)
正統派の漢字スケルトンで、「九死に一生」がテーマの熟語を2つ答えます。誌面上の難易度は5段階で「2」。
問題サイズ:18×18
リストの単語数:91種類
所要解答時間:16分
寸感:取っ掛りはいくつかありますが、右から2行目・上から4行目のマスを基点にした四字熟語1つと二字熟語2つの組み合わせが一番簡単かと思われます。
気になった熟語は「米点山水」。山水画の一種で、筆の跡を使わずに描く点(米点(べいてん))を利用した技法のことだそうです。意味はかなり難しいですが使われる漢字は小学校低学年レベルなので、漢字ナンクロにはもってこいな熟語ですね。
Q13:ボナンザ(出題者:松川敏浩 さん)
要は交差しないナンクロです。誌面上の難易度は5段階で「2」。
問題サイズ:52単語
チェック表の文字:37種類
所要解答時間:12分40秒
辞書使用回数:0回
寸感:予想以上に時間がかかりました。最初は簡単な単語からサクサク埋まるのですが……。
気になった熟語は「富士壺(フジツボ)」と「白田売買」。後者の「白田売買(しろたばいばい)」は、今後の収穫量を見込んで、田んぼがまだ雪で白いうちから買い付けることです。
類義語として、苗を植える前から取引する「黒田売買(くろたばいばい)」、苗が育ち始めたころに取引する「青田売買(あおたばいばい)」なんてのもあります。
Q15:漢字パズル(出題者:夜光虫 さん)
「□駄天」や「□薬品」など、穴抜け箇所に「イ」と読む漢字を入れていきます。大昔にやった漢字ドリルなどにありそうですね。誌面上の難易度は5段階で「2」。
単語の数:21種類
所要解答時間:2分
辞書使用回数:1回
寸感:なんだ簡単じゃない! とたかをくくっていたら、一つだけ落とし穴が。
最後に残った「□損品」。何の漢字が入るんだっけ? 「イソンヒン」、聞いたことはあるようなないような……。
結局辞書を使って解きました。物流関係に勤めている方にとっては常識ワードだそうです。
Q17:ナンクロ(出題者:伊達浩 さん)
数学がテーマのナンクロです。誌面上の難易度は5段階で「3」。
問題サイズ:20×25
チェック表の文字:53種類
所要解答時間:13分30秒
辞書使用回数:0回
寸感:まずはテーマどおり漢数字がどこに入るか探しましょう。おや、あんなところに「【29】石【50】鳥」と「【48】【5】【5】士」が……。
気になった熟語は「方角見」。「ほうがくみ」と読み、方位磁石の別名なんだとか。すごくマニアックです。
(中編は、4月20日に掲載いたします。)